この発想はなかった

ちょ…落ち着いて聞いてくれ…。

今、俺は小腹が空いたから冷蔵庫の中を確認しに行ったんだ…。
そして、俺はまず真ん中の扉を開いた。

…しかしそのまま食べられるものが一つもなかった。
あったのは卵くらいだった…。
だが卵は調理しなくてはならない。俺にはそんな面倒なことは出来なかった…。

次に冷凍庫の扉を開いた。
その中には、もう何年前からあるのかわからないような冷凍食品と、ビターチョコレートがあった。
俺はビターチョコレートは嫌いだ。チョコレートは甘くてなんぼ、そう思う。

俺は最後の望みを賭け、一番下の扉を開いた。
中には痛みきった春キャベツ、南アルプスの天然水、バナナ、梅干し、そしてみかんが一個あった。
キャベツやバナナや梅干しは…なんか気分的に嫌だった。
南アルプスの天然水を少し飲み、俺はみかんを手に取った。

…だが俺はその時、みかんの“ある異変”に気づいていなかった。

「み～かんみかん～コタツにｱｳｱｳ～～＼(^o^)／」

上機嫌でみかんをこたつまで持っていった俺は、早速皮を剥いて食べようとしたんだ。
しかしその瞬間…！

俺は瞬時に気付いたね。
そう、みかんの“異変”に。

カビだとか、まだ熟してないだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

なんなんだ一体